2月16日(土)、朝から小雪の舞う肌寒い中、古民家再生PJボランティアW・Sにスタッフ共で14名が集まりました。今日のW・Sカリキュラムは大工工事~間仕切り壁の設置作業を体験してもらいます。間仕切り壁の中で、耐力壁としての壁の造り、設置の仕方etcを講座で学び、実践して覚えるということの流れで始まりました。

今日の講座、私の担当で木造住宅における壁の重要性、耐震性、現場での事例でなぜ耐震壁?etc …構造計画についての重要さを少し皆さんにお話させてもらいました。構造的な話は聞いてても面白く無いでしょうが、木造住宅の新築、リフォ-ム時にはとっても大事なことですので、何処か頭の隅にでも入れておいて下さい。

この町屋の張間方向(スパン)は間口が狭く、桁行方向(奥行き)がとても長い構造です(ウナギの寝床ともいう)ので、新たに間仕切り壁の設置し、耐力壁を増設していく計画となっています。既にRC造の基礎が出来上がり、間仕切り壁がプロの大工さんで進められて来ています。その工程の一部でW・Sとして参加させて貰っています。
耐力壁は構造用合板t12を真壁納めで設置しています。受け材杉45*45をN90の釘で柱に@200毎に打ち込んで留め付けています。変形時のせん断切れを起こさないように@200以下としました。心引きのある面への受け材の取り付け方は慎重に、釘の本数割増を指示して作業を進めて居ます。 大工さんにも懇切丁寧にアドバイスをもらいながら、釘もまっすぐに打てないことも結構ある… 皆さん笑いも交えながら楽しそうで…

留め付ける受け材の寸法取り、カット及び合板の幅・長さ合せなど… プロの大工さんが先行して段取りしてくれてますので、ボランティアの皆さん所定の位置に合し、釘・ビス等で留め付ける作業です。高所の耐力壁造りはちょっと難しく、後回しです。(大工さんがやるでしょうね)
講座で留め付け方法の重要さもレクチャ-しましたので、@150以下 N50 手打ちです。手打ちが一番確実に設計耐力を期待出来ます。(現実にはプロは機械打です、効率の良さで… 課題はありますがね。)

大工さんが細かく指導してくれています…

出来上がりの耐力壁です。担ぎ材(横架材)上も耐力壁となり壁倍率2.5*2(両面張り)で大きな力作用を負担します。壁だけを強く(硬く)しても、その力が伝達される基礎が脆弱であれば意味がなさない。(耐力壁線の基礎はRC布基礎とした計画で対応しています)
古民家は伝統的構法の架構で造られている。その古民家の趣きの良さにオ-ナ-様が惚れ込み再生活用を進めていますので、それを壊してしまっては意味が薄れることになるでしょう。そのバランスが難しいでしょうね… コストも重要ですし、しかし耐震性は上げないといけない。 課題は山積しています(どの古民家現場でも…)
次回W・Sの予定です。
日時 3月2日(土)10:00~16:00
場所 旧ポ-ラ町屋
作業予定 左官作業(カリキュラム予定で)
現場の進捗状況により変更が生じることもあります。
参加希望の方は案内窓口 酒井まで