朝からの生憎の雨模様… 今日のボランティア活動日、参加者がどれだけあるのか非常に心配な思いで現場へと…スタッフ共で11名の参加がありホッとしました。足元の悪い中でも参加頂けるのはスタッフとして大変ありがたいです。
間口3間の町家、梁間方向には殆ど壁が無く耐震性に難がある。以前に限界耐力計算法による耐震診断ではNGが当然出た建物です。前回現状把握で傾きの計測作業も済まし、計測値に基づき建ち起しジャキのセットアップまでできました。

それぞれの基準通り軸線上でのジャキでの押し作業… 意外と簡単に起きた、層間変形角1/60の傾斜。柱・梁の接合部位、折損など無いか確認ですが… 大丈夫のようです。1/30の安全限界変形角まで耐え得るような町家の構造です。柱の折損が無ければもう少し粘るでしょう… 1/15位まで保持しているかも知れませんね。
簡単に起きたということはまた簡単に戻ると言える。耐震壁の増設を図らねばなりません。間口の狭い町家の構造…利活用も配慮しなければならないし、中々難しいですね。古民家の趣きも残しながら… コストも掛けずに何処まで可能か…
最低限元の姿に戻すことを基本として作業を進めています。これからの利活用の形態の中で事業者なりの都合にて再度再生を進めることになります。

ボランティアのベテラン組みの方には、少し難易度の高い作業等、内容を理解して頂けることが多くなり基本的なことを最初に説明、アドバイスすればお任せのところもありスタッフも楽をさせてもらっています。耐力壁の増設部位の根絡み土台の加工です。

耐力壁増設部位の基礎の設置作業です。この町家は足元の腐朽による嵩上げ修理、基礎の増設は成されて来ているが場当り的な修理が施されている。当然RC造の基礎ではない、無筋である。構造的な負荷が掛かれば言うまでも無くクラックが入る。そんな基礎を遣り返る必要性もあるでしょう… しかし今回は手を付けず現状の姿で復旧を進める。 最低限、新設の耐力壁が有効に働く為にも押え込み(曲げ力)に耐え得る布基礎を新設します。決して完璧な修理方法ではありませんが、現状より少しでも構造的な耐力UPを施すということで施工しています。
コンクリートも手練りです。ボランティアさんがDIYでセルフでする時など参考になるよう進捗に併せてプロから指導アドバイスを提供しています。
本格的な修理工事も参考にはなるでしょう…が、ボランティアさん達の手に合う修理の方法、施工の進め方なども大切なこととして位置付けしています。セルフビルドでDIYで自分の住まいを造りたい、修理したい…そんな思いに応えるのがこのプロジェクトの目的の一つでもあると考えています。決して手抜きの手法を伝授するつもりはありませんが正しいことをきちっと教え、現場状況に応じた応用編を伝授できればと考えています。